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CASS 2003 Internet Survey Report Summary (Japanese Version)
——CASSの調査から
Author : Guo Liang    Source :     Date : 2005-03-05

We are delighted to share the summary of CASS 2003 survey report in this Japanease version, thanks to Ms. Qi Jingying for her translation. All feedbacks are welcome! ------China Internet Project
 
この冊子は、中国社会科学アカデミー(CASS)の社会開発研究センターによって行われたインタネット研究プロジェクトの要約である。ここでは先ず背景を示す資料を、次いで主な調査結果を紹介する。調査は関連する人口および使用状況の統計を含み、その意味付けもなされる。それは民衆のインタネットへの反応や政治への影響にまで及ぶ。そして調査方法の説明と主な新事実の詳述を加える。
[背景]
●    中国におけるインタネット利用は急速に進み、ユーザー数は2003年7月現在、6800万人に達している。
●    CASSの社会開発センターはUCLA主導の世界インタネット・プロジェクト(WIP)の協力者として2000年に中国の5都市でインタネット使用状況調査を始め、2001年5月その最初のまとめを発表した。
●    CASSはマークル(Markle)基金の資金提供を受け、2003年に12都市での継続調査を実施した。対象都市は北京、上海、広州ほか4省都および市部人口15万人以下の5市である。
●    この調査は中国におけるインタネット使用とその社会的影響を探るもので、学術調査としては過去最大の規模に及んだ。インタネットが与えた衝撃をこのように広範な調査対象で行ったことはこれまでなかった。
●    17~60歳の約4100人が無作為に抽出され戸別訪問面接が試みられた。その結果、有効調査対象数は3941人で、うち2457人がインタネット・ユーザー、1484人が非ユーザーであった。
●    5市において事例研究も実施された。その目的はインタネット進展の推進要因を突き止め、小都市における利用状況と社会的影響を知るためである。
[事例研究:4つの推進要因]
1)        政府
中央、地方を問わず政府は国民のインタネット使用を奨励している。IT産業が経済成長の駆動力となると見るからである
2)        インタネット会社
 電話通信などの他の分野と異なり、この業界は国有企業によってコントロールされておらず、官民両レベルの会社の競争が低コストと高サービスを促し、普及に拍車をかけている。
3)        ネット・カッフェ(インタネット喫茶)
 首都圏の各都市では、政府が社会問題化を抑えようとしていることもあって、ネット・カッフェは近年大幅に減少したが、地方の省都や都市では逆に急速に増えている。多くが、インタネット初体験をここで行い、そのスキルを向上させている。こうした店でのインタネット使用料金は8時間でわずか1ドルである。
4)        一般民衆のニーズ
 特に若い層にとって、インタネットは新鮮でエキサイティングな娯楽を提供し、他との交流の道具となる。それは従来型メディアからは得られない情報に触れ自分の意見を表明する場となる。
[インタネットに対する見方と態度]
●    インタネットに対する見方はユーザーか非ユーザーかで大きく異なる。ユーザーはその使用体験の故に一種の「図書館」と見る割合が高く非ユーザーの48.2%に対して59.4%を占める。「会同の場所」とする見方も非ユーザーの36.8%に対して48.2%と高い。また「郵便局」視する見方も24.8%と非ユーザーの14.1%より高い。これは非ユーザーが従来型のメディアを通してインタネットの明確な印象、多分より消極的なそれを得ていることを示すのかもしれない。これがオンライン化推進の妨げとなることが心配される。
●    インタネットに対する態度:非ユーザー42%に対してユーザー51%が「インタネットは世界をより良き場所とする」と信じている。インタネット体験が多ければ多いほど、その人はインタネットの改善効果を信じる。現在のメディアの扱いがインタネットの欠点に偏りすぎ、未体験者に否定的な見方をさせているようだ。質問20項目をさらに分析することにより、この使用体験の有無の相違が浮き彫りになった。ユーザーは非ユーザーよりインタネットに対してより肯定的であり、アクセス経験ひとつで非ユーザーの消極的な態度を変えることが出来るといえよう。
●    大半の人がインタネットのコンテンツに信頼を置いている:回答者の54.6%が信頼、36.5%が半分の信頼を置いており、信頼せずは9.9%に過ぎない。ユーザーによる信頼度は特に高く、非ユーザーの48.9%に対して57.5%を示している。
●    回答者の50%以上が「インタネットを管理しコントロールする必要がある」と考えており、別の36.2%も「何らかの必要がある」と答えている。2年前のCASSの調査に比べ、コントロールを必要とする人たちが増えており、昨今のメディアがインタネットにからむ暗い話ばかり報道している事の影響が窺える。
●    大半の人がポルノ(86.7%)、暴力(71.2%)、侵入情報(68.5%)をコントロールすべきだと考えている。オンライン広告と政治関係コンテンツへの規制についてはぐっと減り、それぞれ34.1%、12.9%が必要としている。
[インタネットの採用]
●    ネット・ユーザーの人的構成は非ユーザーのそれとはかなり異なる。
性別:ユーザーの56%、非ユーザーの44.4%が男性である。
年齢:ユーザーの58.2%が17~24歳で、非ユーザーでこの年齢層に入るのは11%に過ぎない。
教育:ユーザーの57%が2年制以上の大学修了者だが、非ユーザーでこれにあたるのは20.6%に過ぎない。
収入:ユーザーの39.2%が学生または失業中のため毎月の定収入を得ていない。しかし月収のあるユーザーの61.3%が毎月100ドル以上の所帯収入を得ているのに対し、非ユーザーでそれに相当するのは33.4%に過ぎない。
結婚:非ユーザーの82.7%は結婚しているが、ユーザーではわずか32.6%である。
●    採用を推進する要因を探るため、インタネット使用のロジスティック回帰曲線モデル(Logistic Regression Model)が開発された。それによりユーザーの属する地域とインタネットへの態度が重要な役割を果たすことがわかった。この物差しはディジタル・ディヴァイドが経済的要因のみならず文化的、社会的かつ地域的要因によっても起こることを示唆している。
●    非ユーザーの46%がそもそも採用する理由がないと答え、27%が経済的理由から、23%が技術的理由から採用しないと回答した。
[インタネット使用]
使用時間:大都市居住者が必ずしも使用時間が長いとは限らない。ユィマ(義馬)という比較的貧しい都市(住民の平均収入550ドル前後)が週16.11時間を記録し、北京に次いで2番目の長時間使用地区になっている。若い層(17~24歳)は高年齢層より長く、富裕層、独身者、男性も比較的長い使用を示している。
場所:家庭内が62.8%で、その使用時間は週5.35時間。ネット・カッフェが41%で週2.84時間。職場が28.6%で週1.79時間。学校が22.3%で週1.3時間。ネット・カッフェの利用は大都市では23.5%と少なく、利用が盛んなのは、省都(69.7%)および小都市(46.8%)である。
頻度:少なくとも週に一回使うユーザーは、男性の28%、女性の23・6%を占め、年齢的には、17~24歳が33・4%、45~60歳では22・2%と少ない。同様の使用者はBA以上の称号をもつ人の41・1%を占めるが、高卒以下の学卒者では20・5%に過ぎない。少なくとも5年以上の使用経験をもつ人の54・8%が最低週一回の使用者であるのに対し、1年以下の経験者では18・2%である
目的:平常的な活動としては、ブラウジングとニュースが最も多く両方とも57%、Eメールが51・4%、音楽が49.1%、即時伝言が36%となっている。ショッピングは5・3%、バンキングは2・5%と少ない。
言葉/コンテンツ:平均的には使用時間の79%が中国大陸内のコンテンツへのアクセスに使われており、14%が海外の中国語のコンテンツ、7%が外国語のコンテンツに向けられている。
アクセス障害:ユーザーの61・6%が接続の遅さを、44・6%が接続料金の高さを、34・3%が頻繁な接続中断を主要な問題として訴えている。使用言語を障害とする意見は7.2%に過ぎない。
  ウェブ・アドレス:中国でのユーザーは今5大ウェブ・サイトに集中している。SINA、SOHU、NETEASE、YAHOO、21CNである。最初の3社が特に人気がある。検索エンジンとして、回答者のチョイスはGOOGLEよりはSOHUだった。
  Eメール
●中国ではEメールはそれほど多用されていない。そもそもネット・ユーザーの20%がEメール契約の支払口座を持っていない。持っている人でも14%は見るのが週一回に達しない。週一回見るのは口座所有者の20・6%である。少なくとも一日一回見るユーザーはわずか20%である。
●多くの人がEメールの支払いに気乗りがしないようだ。Eメール使用者の64.8%が一般支払口座を持たず、7.3%が非限定口座を持っていない(つまりEメール専用口座だけを使用する)。
●短期大学以上の高学歴ネット・ユーザーの72%がEメールを使う。若いネット・ユーザー(17~24歳)の77%がEメールに接しているが、中高齢者(45~60歳)では17%である。
 Eビジネス
●ネット・ユーザーの79.5%がオンライン・ショッピングを行ったことがない。
●オンライン・ショッピングは、若い層(17~24歳)、短期大学以上の学卒者、ネット経験5年以上の人に集中する傾向がある。
●オンライン・ショッピングの人気商品は、書籍雑誌20%、娯楽(CDやDVD,映画の切符など)17.2%、コンピューター11.9%、オンライン・レッスン0.9%の順である。その他はぐっと少なく、旅行4.8%、食品3.8%、家事サービス2.4%である。
●オンライン購入の2002年の平均額は50ドルに過ぎない。購買者     の60%が24ドル以下の費消である。
[インタネットとメディア]
オンライン・ニュースへのアクセス
別途時間の使われ方:ネット・ユーザーは非ユーザーよりテレビ視聴時間が短い傾向があり、両者の週平均視聴時間はそれぞれ2.25時間・ 3.04時間となっている。一方、読書時間はユーザーの方が長く、非ユーザーの0.88時間に対して1.68時間、同様に音楽を聞く時間も長く、0.3時間に対して0.75時間となっている。また5年以上の有経験者では以上の傾向がさらに強まることも分かった。
年齢:オンライン・ニュースを最もよく読むのは、35~44歳(68%)で、次いで25~34歳(64.9%)、45~60歳(61.9%)となっている。17~24歳の年齢層では50.8%にまで落ちる。
性別:男性(59.7%)の方が女性(53%)よりオンライン・ニュースをよく読む。
所得:所得が多い人ほどオンライン・ニュースを読む傾向が意味付けられる(有効数字=.000)。
 ニュース読者は月収200ドル以上のユーザーでは70.8%を占めるのに対して、50ドル以下のユーザーでは50.9%に過ぎない。
地域:首都地域で最もよく読まれ58.4%、省都で55.5%、小都市で54.7%と漸減する。
ネット・カッフェ:他の場所に比べオンライン・ニュース読者が少なく他の場所の63.6%に対し47.4%となっている。
オンライン・ニュースの内容
一般的傾向:ユーザーの71%が娯楽ニュースを読み、59.8%が国内ニュースを、56.9%が国際ニュースを、46.3%が社会ニュースを、41.9%がスポーツニュースを読む。
ネット・カッフェ利用者:他の場所よりも娯楽ニュース(79%)、スポーツニュース(47.6%)を読む率が高い。
性別:男性(55.3%)の方が女性(24.3%)よりスポーツニュースを読む割合が高く、IT関連ニュースも男性(29.9%)の方が女性(18%)より高い。国内ニュースの男性(61%)、女性(58.5%)の差は大したことはないにしても、国際ニュースでは男性(62.1%)、女性(50.3%)とかなり開く。
年齢:若い層(17~24)の81.6%が娯楽ニュースの読者だが、熟年層(45~60)のそれは45.6%に過ぎない。一方、国内および国際ニュースでは熟年層の方が多く71%と若い層の約50%をしのぐ。
教育:短大卒以上の学歴者と中学以下の学歴者の間にギャップがある。国内ニュース読者は高学歴者で(70.9%)、低学歴者で(42.6%)。国際ニュースは高学歴者で(70.6%)、低学歴者で(40.2%)である。
 メディアへの信頼
一般的に言って国民はまだ国内メディアに信頼を置いている。国内のテレビニュースに対してユーザーの85.2%が信頼する、または強く信頼、と答えた。同様に国内ラジオニュースに77.5%が、国内の新聞に76.6%が、外国テレビニュースに63.5%が、外国の新聞に56.1%が、外国ラジオニュースに54.6%が信頼を示している。ネット・オンライン・ニュースへの信頼は42・4%である。
オンライン・ニュースのプロバイダーに対してのユーザーの信頼度は、国内の伝統的メディア(人民日報、CCTVのような)のウェブサイト(87%)、国内ウェブサイト(73.1%)、海外の中国ニュース・ウェブサイト(63.4%)、外国ウェブサイト(60.4%)の順である。
[インタネットとコミュニケーション]
平均的にいって、ユーザーが直接会う近親以外の知り合いは週6人なのに対し非ユーザーは4.78人と少ない。これはユーザーが他とのコミュニケーションを好む人たちである事を示している。しかしこれはインタネットそのものがコミュニケーション増の原因とは限らない。ユーザー(1日3.54回)は非ユーザー(3.05回)より電話をかける回数が多く、アドレス帳の名前も、ユーザーは(58件)で非ユーザー(39件)より多い。「ウェブ・コミュニケーションが頻繁に接触する友人を増やしましたか」の質問に対し40.5%が一人ないし5人増えたと答え、14.8%が6ないし10人、7.4%が少なくとも11人増えたと答えている。全く増えなかったとする答えは37%に過ぎなかった。
[インタネットと政治]
一般的にいって、インタネットは中国の政治地図を塗り替えている。それは一般大衆に或る程度まで、外界への窓と自分の意見を言う場を与えた。この調査では四つの質問によってインタネットの政治的影響を調べたが、人々がインタネットによって言論の自由が促進され、政治的機会が増えることを強く期待していることが分かった。
l        ユーザーの71.8%、非ユーザーの69.7%がインタネットによって政治的意見を述べる機会が増えることに同意又は強く同意している。
l        ユーザーの60.8%、非ユーザーの61.5%がインタネットによって政府を批判する機会が増えることに同意又は強く同意している。
l        ユーザーの79.2%、非ユーザーの77.4%がインタネットによって政治を批判する機会が増えることに同意又は強く同意している。
l        ユーザーの72.3%、非ユーザーの73.3%がインタネットによって高級官僚が一般民衆の考えをよりよく知ることに同意又は強く同意している。
[インタネットと開放性]
インタネットはその伝播ネットワークとパッケージ交換技術によって、そもそも開放的なシステムである。その普及が急速に進む中で、人々の態度や行動がより開放的な性格に変わる可能性を仮説として立てたい。さらにこの個人の開放性が社会の開放性をも促すことも仮説としたい。調査では個人の開放性を10の質問によって確かめたが、その結果ネット・ユーザーが非ユーザーより開放的であることが分かった。これは必ずしもインタネット使用が人を開放的な性格にすることを意味しないが、開放性の定義の上にたって、次のことは言える。最低5年以上のネット経験をもつ人は1年以下の人に比べてより開放的な性格を示しているということだ。これはネット使用が人を開放的な性格にすることを部分的ながら示すと言えよう。
 
全体として、この調査は中国が変わり始めたことを提示した。しかし同時にその変化にはむらがあることも示した。インタネットの到来により中国の民衆は日々のニュースを様々に受け取り、新しい方法で意思疎通をし、新しい手段で経済取引をするようになった。さらには政治的態度も変わろうとしている。しかしこうした変化は人口構成の部分部分で違った程度で起こっている。年齢、教育程度、所得レベルが使用頻度や使用経験と共に重要な因子となっている。インタネットの普及が将来、中国の変化の合流点に達するか、それとも人口グループ間の差異が高まるか、興味が持たれる。今回の調査が示した諸傾向の追跡調査が求められるところである。
 
中国社会科学研究院
中国北京100732、建国門内大街5号9階
FAX:(86)-10-8777-1872
 
マークル(Markle)基金会
10 Rockefeller Plaza, 16th Floor
New York, NY 10020-1903
Tel +1(212)713 7600
Fax +1(212)765 9690
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